裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和26(う)1235
- 事件名
法人税法違反被告事件
- 裁判年月日
昭和27年1月31日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第八刑事部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第5巻2号160頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 適正に割当を受けて入手した原料をいわゆる横流販売し同年度分の供出責任製品量に不足を生じたため次年度にいわゆるルート外の原料を購入してこれを補填する必要がある場合と法人税法第九条にいわゆる総損金 二、 犯罪行為による所得と課税の対象たる法人税法上の所得 三、 申告納税制度と憲法第三八条第一項違反の有無 四、 いわゆる中間申告による納税の場合と法人税法第四八条の適用の有無
- 裁判要旨
一、 適正に割当を受けて入手した原料をいわゆる闇値で横流販売をして利益を得た場合、これがため同年度分の供出責任製品量に不足を生じ、次年度にいわゆるルート外の原料を闇値で購入してこれを補填する必要が生じたからとて、かかる事実は、法人税法(昭和二二年法律第二八号)第九条にいう右本年度分の総益金から控除すべき総損金中に含まれるものではない。 二、 犯罪行為による所得も、課税の対象たる法人税法上の所得に該当する。 三、 申告納税制度は、納税義務者に所得の申告を求めるものであつて、たとえ犯罪行為による所得であつても、その原因たる犯罪行為の告知を求めるものではないから、憲法第三八条第一項に違反するものではない。 四、 法人税法第二一条にいわゆる中間申告による納税の場合にも同法第四八条の適用がある。
- 全文