裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和24(行ナ)19
- 事件名
高等海難審判庁裁決取消請求事件
- 裁判年月日
昭和26年12月14日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一特別部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第4巻13号406頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 海上衝突予防法第一九条の避譲義務発生の時期 二、 僅かに六トンの操縦容易な漁舟と同条の避譲義務履行の時期 三、 入港準備のための減速と航方違反と衝突の責任
- 裁判要旨
一、 海上衝突予防法第一九条の避譲義務の発生時期は、同法第二七条の趣旨からすれば、天候、船の大小、性能、地勢、潮流、風向、風力、吃水、第三船の存在等諸般の状況により、個々の場合にその時期を決定すべきものである。 二、 海上衝突予防法第一九条の避譲義務は、一方が僅かに六トンの操縦容易な漁舟である場合には、両船の距離が、二海里、一海里、又は四分の三海里の遠距離のときにおいては、その履行の時期にありとすべきではない。 三、 入港準備のための減速は、港口までに相当の距離がある場合、そのまま進んで他船を替わした後減速するか、機関の運転を停止して他船が替わつて後進行するか、あらたに危険を生じない程度の減速をするか等種々の方法があるから、あらたに衝突の危険を生ぜしめるが如き減速をしたことは、臨機避譲の処置を誤つたものである。