裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和24(ネ)50
- 事件名
家屋明渡請求控訴事件
- 裁判年月日
昭和24年11月5日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第六民事部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第2巻2号253頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 家屋の賃貸借の不確定期限 二、 解約申入の正当の事由
- 裁判要旨
一、 「自分の家を建てるまで」という約束で家屋を借り受けた場合に、その当時、具体的に建築に着手しているとか、目論見を立てていて、ただ何時までに出來上るか、その時期を確定しかねるだけの状態であれば、それは不確定期限を定めたものと解釈されるが、自分の家を建てたいという希望を抱いているに過ぎないで、まだ建築することも確かでないのであるときは、それは不確定期限を定めたものではない。 二、 薬剤師免許を有する賃貸人は、現在、六坪余の二階に、息子二人と共に暮し、息子の収入によつて生計を立てているものであるが、息子の一人には妻帯させる必要に迫られ、自分が元の薬種商を復活せねば生活に困る事情があつて、本件家屋を必要とし、一方賃借人は、他に住宅を新築して、これに妻子と共に居住するが、そこでは営業上不便な点があるという場合、賃貸人のした解約の申入は、正当の事由があるものと認める。
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