裁判例結果詳細

事件番号

昭和26(ネ)744

事件名

損害賠償請求事件

裁判年月日

昭和27年4月21日

裁判所名・部

大阪高等裁判所 第三民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第5巻5号176頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 第三者所有の動産に対し強制執行を遂行した債権者に不法行為上の過失を認むべき場合 二、 右の場合に強制執行停止命令を申請しなかつた被害者の過失と過失相殺

裁判要旨

一、 強制執行にあたつて、執行の目的動産について所有権を主張する第三者があり、その主張が執行妨害のため無責任になされたものと認められない状況にあるときは、その主張を虚偽として無視し得る合理的な根拠のないかぎり、執行債権者はその主張事実の真否を調査すべきであり、競売期日までに適当な調査をなすことを怠つて競売手続を遂行したときは、これについて、執行債権者は不法行為としての過失の責を負わなければならない。 二、 強制執行の目的動産について、その所有権が自己に属すると主張する第三者が、執行債権者に対し強制執行異議の訴を提起し、これにともなつて強制執行停止命令を申請してみずからその損害の発生を防止する時間的、経済的余裕があるにかかわらずこの措置に出なかつたときは、損害の発生について、被害者である第三者にも過失があるものというべきであり、多額の金員を供託してまで強制執行を停止する要はなかつたという理由だけでは、損害賠償の額を定めるについて右過失を不問に付することはできない。

全文

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