裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和27(う)558
- 事件名
業務上横領被告事件
- 裁判年月日
昭和27年8月25日
- 裁判所名・部
名古屋高等裁判所 刑事第三部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第5巻11号1772頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 重役およびその家族以外には株主のいない株式会社の利益金を正規の帳簿に記入しないで別途金として重役会の協議で株主に配当した場合の会社代表者の刑事責任 二、 右の別途金を業務上横領したという公訴事実と商法第四八九条第三号の罪とは公訴事実の同一性があるか
- 裁判要旨
一、 重役およびその家族以外には株主のいないいわゆる同族会社である株式会社において利益金を正規の帳簿に記入しないで別途金としてこれを重役会の協議に基き株主に配当したときは、法人税法、商法および会社定款に反するけれども、これをもつてただちに会社に右配当金だけの損書を加えたものとは断じ得ないから、これが配当に関与した重役に対し業務上横領罪の責任を問うことはできない。 二、 右の別途金を業務上横領したという公訴事実と商法第四八九条第三号の罪とは、その構成要件の主要な部分が異るから、公訴事実の同一性はない。
- 全文