裁判例結果詳細

事件番号

昭和27(う)446

事件名

窃盗被告事件

裁判年月日

昭和27年7月21日

裁判所名・部

名古屋高等裁判所 刑事第三部

結果

棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

第5巻9号1477頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 弁護人に対し公判期日の通知がなくてもその瑕疵の治癒される事例 二、 主任弁護人が出頭しないときの他の弁護人の弁護権の範囲

裁判要旨

一、 弁護人に対し公判期日の通知をしないで公判を開廷することは、判決に影響すベき訴訟手続の違背であるけれども、該弁護人が公判期日に出頭して異議なく弁論をした場合とか、後日被告人が該弁護人を解任した場合、あるいは被告人が該弁護人の弁論を抛棄した場合等においては、右不通知の瑕疵は完全に治癒されるのであり、従つて二名の弁護人に対しいずれも公判期日の通知なくして公判を開廷した場合において、弁護人の一人および被告人が出頭し異議なく弁論をし且つ最終の陳述をして結審したときは、被告人において不出頭の弁護人の弁論を暗黙のうちに抛棄したとみるべきものであるから、右弁護人に対する公判期日不通知の瑕疵は治癒される。 二、 主任弁護人の制定は公判廷その他における申立、請求、質問、尋間または陳述等を整理統一し訴訟手続の円満進行を図るためであるから、二人の弁護人がある場合において主任弁護人が出頭しないときは、出頭した弁護人は当然主任弁護人と同一の権限を行使し得るものというベく、裁判所は、特に副主任弁護人を指定しなくても適法に公判審理を進めることができる。

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