裁判例結果詳細
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高等裁判所
- 事件番号
昭和41(う)139
- 事件名
商品取引所法違反被告事件
- 裁判年月日
昭和42年3月27日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 第一部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第20巻2号128頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 委託者からの商品仲買人に対する委託証拠金充用証券の預託が権利質の設定であるとされた事例 二、 商品仲買人が前項の委託証拠金充用証券を転質に供するにあたり多少の権限超越があつても横領罪を構成しないとされた事例
- 裁判要旨
一、 商品市場における売買取引の委託にあたり、委託者から担保として商品仲買人に預託する委託証拠金の代用たる有価証券(いわゆる委託証拠金充用証券)につき、取引の決済まで商品仲買人にこれが無条件の処分を許さない旨の受託契約準則の規定が存し、他方、譲渡担保の設定であるとみなければならない特段の事情のない判示事実関係のもとでは右預託は権利質の設定であると解すべきである。 二、 商品仲買人が、民法第三四八条により前項の委託証拠金充用証券を転質に供するに当り、原根質権の被担保債権が未だ発生しておらず、あるいは転質権の被担保債権が原根質権のそれを超過しているようなことがあつても、転質権者が商品市場における売買取引につき判示のような特殊の関係を有し、転質権設定当事者間で、原質権が消滅すれば常に質物の返還を許すなど原質権設定者に実害が生じないような取引方法を採つている判示事実関係のもとでは、商品仲買人の右転質は横領罪を構成しない。
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