裁判例結果詳細

事件番号

昭和27(う)43

事件名

医師法違反被告事件

裁判年月日

昭和27年5月17日

裁判所名・部

広島高等裁判所 第一刑事部

結果

破棄差戻

高裁判例集登載巻・号・頁

第5巻8号1199頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 公職選挙法施行令第五二条第一項第三号所定の医師の証明書の性質 二、 医師がみずから診察しないで診断書を交付するということの意義

裁判要旨

一、 医師が他人の健康状態に関し、診察の結果にもとづいて意見判断を記載して作成した証明文書はすべて診断書であつて、公職選挙法施行令第五二条第一項第三号にいう証明書も、その必要的記載事項は一般の診断書に比して簡単ではあるが、等しく人の健康状態に関する意見判断を記載するのであるから、名称は証明書となつていても実質は医師法にいう診断書である。 二、 医師がみずから診察しないで診断書を交付したといい得るためには、当人をいまだかつて診察したことのない場合は勿論のこと、前に診察したことはあるが、すでに相当の日時を経過していて、当時の健康状態から推してはその判断は正確を期し得ないと考えられるにかかわらず、これに対する診断書を交付した場合も含まれるものと解すべきである。従つて、診断書交付の当日診察した事実がないとしても、その前の診察の結果を医学的知識経験に照らしこれから推して変化の予想されない場合は、その都度診察しなくても、前の診察の結果にもとづいて診断書を交付したとしても違法ではない。

全文

全文

ページ上部に戻る