裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和25(う)1015
- 事件名
昭和二一年勅令第三一一号違反被告事件
- 裁判年月日
昭和26年3月7日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 第一部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第4巻4号294頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 ある批判が個人に対してなされたか国家に対してなされたかの判断方 二、 言論及び新聞の自由に関する覚書第三項違反と昭和二一年勅令第三一一号の適用 三、 言論及び新聞の自由に関する覚書第三項にいわゆる連合国に対する破壊的批判を論議するときの意義 四、 出版及び言論の自由伸長に関する覚書第四項の趣旨と昭和二一年勅令第三一一号
- 裁判要旨
一、 ある批判が一個人に対してなされたか或は国家に対してなされたかは、単に形式的な文言のみにより判断すべきではなく、文言全体を通じその内容がそのいずれに対してなされたかにより判断すべきである。 二、 言論及び新聞の自由に関する覚書第三項に違反するときは、昭和二一年勅令第三一一号第二条にいわゆる占領目的に有害な行為として、同令第四条により処罰される。 三、 言論及び新聞の自由に関する覚書第三項にいわゆる連合国に対する破壊的批判を論議することは、単に口頭で第三者に対し談話討論演説等により破壊的な批判圭発表する場合のみでなく、文書に記載し若しくは掲載して第三者に対し閲覧に供し掲示し若しくは頒布してこれを了知し得べき状態におく場合をも包含するものと解すべきである。 四、 出版及び言論の自由伸長に関する覚書第四項は、右覚書により廃止等を要求せられた従来からの各種の言論出版関係取締法令に基いて処罰、逮捕等をするには、最高司令官の命令又は事前認可を要するという趣旨であつて、言論及び新聞の自由に関する覚書の趣旨に反する行為を昭和二一年勅令第三一一号により処罰又は逮捕する場合に関するものではない。
- 全文