裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和31(う)1658
- 事件名
業務上過失傷害被告事件
- 裁判年月日
昭和32年7月18日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 第二刑事部
- 結果
破棄自判
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第10巻5号461頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 炭鉱におけるいわゆる「鉢を打つ」ということは石炭鉱山保安規則第一九一条第一項の火薬類の不発にあたるか 二、 鉢孔を生ぜしめた発破係員の注意義務 三、 発破係員がいわゆる「鉢孔」の残存する岩盤に穿孔する場合の注意義務
- 裁判要旨
一、 いわゆる「鉢を打つ」(「鉄砲を打つ」または「空発」とも称す)ということは「石炭鉱山保安規則第一九一条第一項の火薬類の不発に該当しない。 二、 炭鉱において、発破係員はいわゆる「鉢孔」を残置した儘昇坑したときは、該鉢孔内に残留火薬がないと認めた場合においても、鉢孔の在る岩盤、鉢孔の個数、位置、危険の有無を次番の発破係員に引き継ぐべき業務上の注意義務がある。 三、 発破係員がいわゆ「鉢孔」の残存する岩盤に発破孔を穿孔する場合は、附近に鉢孔の有無を調査し、かつ若し鉢孔を認めたときは、該鉢孔の方向を確かめてこれに発破孔が交錯しない程度の間隔を保つて穿孔すべき業務上の注意義務がある。
- 全文