裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和28(け)24
- 事件名
刑の執行に関する異議の決定に対する異議事件
- 裁判年月日
昭和28年11月7日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 第三刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第6巻10号1378頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 刑の執行と重複する未決勾留を本刑に算入することの違法 二、 右の違法を帯びる判決の確定とその執行 三、 既に本刑に算入された未決勾留と他の未決勾留との重複の有無の判定方法
- 裁判要旨
一、 自由刑の執行、もしくは、既に本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重覆する未決勾留を、更に本刑たる自由刑に算入するが如きは、刑法第二一条、刑訴第四九五条の規定本来の趣旨に違反する違法の措置というべきである。 二、 右の違法を帯びる判決であつても、既に確定するに至つたときは検察官としては、もはや、判決に示されたところに従い執行を指揮するのほかないものと解すべきである。 三、 或る事件の未決勾留について、その一部に裁判確定による本刑通算があり、かつ、他の未決勾留との重複がある場合、若し、その未決勾留の日数にして右の通算日数及び重複日数を控除してなお余剰の存するときは、本刑に通算された未決勾留と他の未決勾留との重複はないものと 解すべきである。