裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
平成10(ラ)71
- 事件名
売却許可決定に対する執行抗告事件
- 裁判年月日
平成10年8月25日
- 裁判所名・部
仙台高等裁判所 第一民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第51巻2号92頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 競売物件につき最低売却価額決定後明判した事由により同価額が著しく不当になった場合と同価額変更の要否 二 最低売却価額の定めに重大な誤りがあるとして売却許可決定が取り消された事例
- 裁判要旨
一 競売物件につき、最低売却価額が定められた後売却期日までの間に判明した事由により、同価額が著しく不当になった場合には、執行裁判所は、最低売却価額を変更した上、改めて売却を実施すべきである。 二 競売申立て後一五年余りを経過している不動産競売事件の売却許可決定時に、競売物件につき最低売却価額より著しく高額の道路用地買収金及び移転補償金の支払が確実に見込まれるに至った場合においてて、入札期間前にそのような事実を推測させる資料の提出があったこと、競売手続の遅延につき抗告人である債務者らに信義則に反する行為があるとはいえないこと、競売物件の再評価によって手続が更にいたずらに遅延するおそれはないことなど判示の事情があるときは、最低売却価額の定めに重大な誤りがあり、これを変更せずにされた売却許可決定は、民事執行法七一条六号に照らし違法である。
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