裁判例結果詳細

事件番号

昭和29(ツ)5

事件名

請求異議事件

裁判年月日

昭和30年1月20日

裁判所名・部

札幌高等裁判所 第二部

結果

棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

第8巻1号27頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 執行文付与に対する異議の訴における異議の原因の有無を定むべき標準時 二、 民法第四九三条所定の手続と信義誠実の原則

裁判要旨

一、 執行文付与に対する異議の訴においては、異議の原因の有無は判決の基本たる口頭弁論終結の時を標準としてこれを定むべきものと解するから、たとい執行文付与に必要な条件の成就前に執行文を付与し、かかる執行力ある正本に基いて強制執行がなされても、異議の訴の口頭弁論終結の時までに条件が成就すれば、右の執行文の付与およびかかる執行力ある正本に基く強制執行はもはや不適法としてその取消または不許の宣言をなすことができないものと解すべきである。 二、 賃貸借契約の如く継続的に債権債務が発生する契約において賃借人が賃料につき債務の本旨にしたがつた弁済の提供をしたにも拘らず、賃貸人がその受領を拒絶し、たといその後何度これを提供してもその受領を拒絶することが明白であつて、これを反覆継続させることが全く無意味であると認められるような事情のある場合には、信義誠実の原則によリ賃借人はその後の賃料債務について民法第四九三条所定の手続をしなくても、履行遅滞の責を負わぬものと解すべきである。

全文

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