裁判例結果詳細

事件番号

昭和33(ネ)258

事件名

損害賠償請求事件

裁判年月日

昭和35年7月16日

裁判所名・部

高松高等裁判所 第四部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第13巻4号426頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 農地の強制競売で最高価競買人となつた者の当該所有権取得について農地法第三条に基く許否の処分を決するのにあたり、さきに同一農地について右差押の登記後に他の者に所有権移転の許可が与えられたことを考慮することの可否 二、 国家賠償法第一条による国の賠償義務を否定した一事例

裁判要旨

一、 農地の強制競売で最高価競買人となつた者から都道府県知事に対し農地法第三条に基く所有権移転の許可の申請がされたときは、さきに同一農地について右差押の登記後に他の者に所有権移転の許可が与えられていても、都道府県知事は特別の事情がない限りはこのことを考慮することなしに、右最高価競買人自身について存する事情に基いて同人に農地法上の不適格性があるかどうかを判断してこれによつてその許否を決すべきである。 二、 農業委員会の委員らが農地の強制競売で最高価競買人となつた者からの当該所有権移転の許可申請を撤回させようとして、その者の意思に反して都道府県知事に対する申請書の進達をおくらせ、そのうちに裁判所が都道府県知事の許可書の提出がないことを理由に当該競落を許さない旨の決定をした場合であつても、右申請が元来不許可を相当とすべきもので且つ申請書の進達が速かにされたとしても実際上も不許可となつたであろうと思われる事情がある以上は、右申請者は国に対し、前記進達の遅延を理由として、当該所有権を取得しえなかつたことによる損害の賠償を求めることは許されない。

全文

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