裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和27(ツ)4
- 事件名
農地引渡請求事件
- 裁判年月日
昭和27年7月25日
- 裁判所名・部
高松高等裁判所 第四部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第5巻11号464頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
農地の買収、売渡の行政処分を処分庁みずから取り消し得る場合
- 裁判要旨
一般に行政処分に法律上の瑕疵があるときは処分庁みずからその違法または不当を矯正するためその行政処分を取り消し得るを原則とするが、その取消は瑕疵ある行政処分により形成された法律秩序を既往に遡つて消滅せしめる効果を伴うのでこれを犠牲にしてなお公益上行政処分の取消を必要とする場合に限定されるものと解する。それ故、農地の買収、売渡の行政処分において権利を害されたとする者が出訴期間を徒過し救済手段を失つた場合でも、当該処分庁がみずからその違法を認めてその処分を取り消すことはできるが、それがためには、単に行政処分に違法があるというだけではたらず、違法を事由に取り消すことによつて失われる法律秩序の破壊と取消によつて得られる公益上の必要とを比較考慮せねばならない。
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