裁判例結果詳細
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高等裁判所
- 事件番号
昭和39(ネ)16
- 事件名
所有権移転登記手続等請求事件
- 裁判年月日
昭和40年5月21日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 岡山支部 第二部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第18巻3号239頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 遺留分回復の訴えの訴訟物 二、 民法第一〇三六条と果実代価の償還 三、 所有権確認請求を終局判決後に取り下げた場合と所有権の存否を先決問題とする再訴提起の許否 四、 第一審判決の取消し差戻しと控訴審において申し立てられた請求の拡張部分の取扱い
- 裁判要旨
一、 遺留分回復の訴えの訴訟物は、減殺請求権の行使の結果、遺留分権利者に復帰した所有権に基づく目的物の返還請求ないし所有権移転登記の抹消請求等であつて、かかる個々の具体的請求を離れて、抽象的・包括的な「遺留分減殺の請求」が訴訟物として存在するわけではない。 二、 遺留分権利者は、民法第一〇三六条・第一九〇条により、減殺請求の日以後の果実の代価の償還を求めうる。 三、 所有権確認請求を終局判決後に取り下げた場合においても、所有権の存否を先決問題とする再訴の提起を妨げない。 四、 訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合において、控訴審で申し立てられた請求の拡張部分があるときは、これをも含めて事件を原審に差し戻すのが相当である。
- 全文