裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和27(ネ)40
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
昭和29年2月19日
- 裁判所名・部
広島高等裁判所 岡山支部 第二部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第7巻3号269頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 牛を引いて来る者とすれちがう場合の貨物自動車運転者の注意義務 二、 牛を引いて歩行する者の注意義務
- 裁判要旨
一、 幅員二間の県道上を進行する貨物自動車の運転者が牛を引いて来る者を認めた場合には自動車と牛とが遭遇通過する際衝突の蓋然性あることは当然予測し得べく、従つてかかる場合自動車を運転する者は極力速度を落して除行し衝突の危険の有無を確認し、場合によつては停車して牛が通過するのを待つて進行する等適宜の措置を講じ事故の発生を未然に防止すべき義務がある。 二、 牝牛が発情期にある場合は衝撃に対し特に敏感であるからこれを引いて歩行する者は車馬の往来に一層用心し、絶えず前方を注視し貨物自動車の進行しているのを認めたような場合には若し附近に安全な待避場所があればそこに避難して自動車の通過を待つかそれがなければ自動車と遭遇したときにおいて牛が驚愕して暴れても衝突しないだけの用意を整える等深甚の注意を払い発生を防止する措置を講ずべき義務あるものといわねばならない。
- 全文