裁判例結果詳細

事件番号

昭和28(う)168

事件名

虚偽有印公文書作成行使詐欺被告事件

裁判年月日

昭和30年7月13日

裁判所名・部

広島高等裁判所 松江支部

結果

棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

第8巻6号775頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 「禀議書」は文書偽造の罪の客体たる「公文書」に該当するか 二、 「禀議書」の名義人とその捺印の意義 三、 偽造若しくは変造の「禀議書」または虚偽の「禀議書」の行使罪が成立する時期

裁判要旨

一、 地方公共団体の会計事務(就中部局における支出)に関して作成される「禀議書」は法規慣例に基き、当然作成すべき書面であるから、その形式および内容の真正につき、法律によつて保護を受けるに値し、文書偽造の罪の客体たる公文書に該当する。 二、 「禀議書」の名義人は、分掌事務を担当する主任吏員の外、決裁関係記載部分については支出命令権者たる部局長がその名義人であり、その決裁以前の段階において、他の関係吏員が意見を附記するときは、その記載部分についてその吏員も亦名義人である。而して、主任吏員、部局長或いは関係吏員が「禀議書」中所定の欄に捺印するのは、自らその名義人であることを表示するため、公務員としての印章を押捺するものである。 三、 偽造若しくは変造の「禀議書」または虚偽の「禀議書」は、それが証憑書類として所定の箇所に備付けられるとき、その行使罪が成立する。

全文

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