裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和45(く)7
- 事件名
移送請求却下決定に対する即時抗告事件
- 裁判年月日
昭和45年8月10日
- 裁判所名・部
福岡高等裁判所 宮崎支部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第23巻3号516頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 (土地管轄)予備の行われた地は刑事訴訟法二条一項の「犯罪地」にあたるか 二、 同法一九条三項の移送却下決定に対する即時抗告を棄却した事例
- 裁判要旨
一、 可罰的とされている予備が更に実行行為にまで進展し、これに吸収される場合においても、右予備の行われた地は刑事訴訟法二条一項にいう「犯罪地」にあたる。 二、 船舶内における犯罪行為の土地管轄が、船籍港を管轄する甲裁判所と犯罪地を管轄する乙受訴裁判所の両方に併存し、その証拠方法が両裁判所の管轄区域およびその周辺に散在する場合において、甲地方にいる検察官申請予定の証人の出廷承諾や乗組員を含む該船舶の可動性によりこれらを乙受訴裁判所において取調べることが可能であり、これに起訴検察官の公訴維持の便宜等を考慮して乙受訴裁判所において審判することが相当であると認められる場合には、甲裁判所への移送請求を却下することにより乙受訴裁判所より遠隔地に居住する被告人および弁護人に出廷等につき時間的、経済的な不便を招来することになつてもそれは刑事訴訟法一九条三項にいう「著しく利益を害される場合」に該当しない。
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