裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成16(行コ)390
- 事件名
障害基礎年金不支給決定取消等請求控訴事件(原審・新潟地方裁判所平成13年(行ウ)第7号)
- 裁判年月日
平成17年9月15日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 大学在学中に事故によって障害を負いながら,国民年金に任意加入していなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,20歳以上の学生を国民年金法の強制適用から除外し,また,無拠出の障害福祉年金又は障害基礎年金を受給できる対象から除外していた各規定が憲法14条等に違反し無効であるなどとしてした同処分の取消請求が,棄却された事例 2 大学在学中に事故によって障害を負いながら,国民年金に任意加入していなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,20歳以上の学生を国民年金法の強制適用から除外する規定を立法した点,その後同規定を改正しなかった点について,立法作為,不作為の違法があったなどとして,国に対してした国家賠償請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 大学在学中に事故によって障害を負いながら,国民年金に任意加入していなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,20歳以上の学生を国民年金法の強制適用から除外し,また,無拠出の障害福祉年金又は障害基礎年金を受給できる対象から除外していた各規定が憲法14条等に違反し無効であるなどとしてした同処分の取消請求につき,老齢者扶養対策としての老齢年金が制度の中心に据えられ,保険料納付の負担と稼得能力との調整を必要とするという国民年金制度の特質に照らし,前記各規定は,いずれも一定の合理的理由が認められないものではなく,これらの規定の存在により20歳以上の学生等が,他の国民と異なり,任意加入しない限りは,障害基礎年金を一切受給できないという状況が生じたとしても,稼得能力という観点からみて,これらの学生等を他の国民と類型的に区別して評価することが著しく不合理であるとは認められず,さらに,任意加入制度が存在していたことをも勘案すれば,立法当時の一般的な国民生活の状況や稼得能力及び保険料負担の実態,世論等の社会情勢,国の財政事情等にかんがみそれなりの合理性があったものであるから,これをもって直ちに憲法14条に違反する不合理な差別であると認めることはできないし,これらの立法が立法府の合理的な裁量判断の限界を超えていると認めることもできないなどとして,前記請求を棄却した事例 2 大学在学中に事故によって障害を負いながら,国民年金に任意加入していなかったために障害基礎年金を支給しない旨の処分を受けたいわゆる学生無年金者が,20歳以上の学生を国民年金法の強制適用から除外する規定を立法した点,その後同規定を改正しなかった点について,立法作為,不作為の違法があったなどとして,国に対してした国家賠償請求につき,老齢者扶養対策としての老齢年金が制度の中心に据えられ,保険料納付の負担と稼得能力との調整を必要とするという国民年金制度の特質に照らし,20歳以上の学生を国民年金の強制適用の対象から除外し,また,無拠出制の障害福祉年金又は障害基礎年金を受給できる対象から除外していた各規定は,いずれも一定の合理的理由が認められないものではなく,これらの規定の存在により20歳以上の学生等が,他の国民と異なり,任意加入しない限りは,障害基礎年金を一切受給できないという状況が生じたとしても,稼得能力という観点からみて,これらの学生等を他の国民と類型的に区別して評価することが著しく不合理であるとは認められず,さらに,任意加入制度が存在していたことをも勘案すれば,立法当時の一般的な国民生活の状況や稼得能力及び保険料負担の実態,世論等の社会情勢,国の財政事情等にかんがみそれなりの合理性があったものであるから,これをもって直ちに憲法14条に違反する不合理な差別であると認めることはできないし,これらの立法が立法府の合理的な裁量判断の限界を超えていると認めることもできないなどとして,前記請求を棄却した事例
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