裁判例結果詳細

事件番号

平成16(行コ)171

事件名

損害賠償請求控訴事件(原審・さいたま地方裁判所平成9年(行ウ)第24号)

裁判年月日

平成17年10月5日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 一級河川において,いわゆるプレジャーボートを,アンカーを打ち,桟橋にチェーンで結びつけて固定する方法によって係留する行為が,河川法24条の「河川区域内の土地の占用」に該当するとされた事例 2 県知事が管理する河川において,河川法24条の許可を得ることなく船舶を係留していた者に対し,県知事がした同船舶を撤去する行政代執行により同船舶に損傷が発生したなどとしてされた国家賠償請求が,棄却された事例

裁判要旨

1 一級河川において,いわゆるプレジャーボートを,アンカーを打ち,桟橋にチェーンで結びつけて固定する方法によって係留する行為につき,河川法24条の「河川区域内の土地」とは同法(平成9年法律第69号による改正前)6条1項所定の「河川区域」内の土地であり,同項1号の「河川の流水が継続して存する土地」,すなわち河状を呈している土地も含み,また,「河川区域内の土地の占用」とは,ある特定の目的のために,その目的を達成するのに必要な限度において,公共用物である河川区域内の土地を排他的,継続的に使用することをいい,土地に固着せず上空だけを使用する場合や地中だけを使用する場合も,河川管理上支障があると認められるような場合には「占用」に含まれるとして,前記船舶の係留は河川法24条の「河川区域内の土地の占用」に該当するとした事例 2 県知事が管理する河川において,河川法24条の許可を得ることなく船舶を係留していた者に対し,県知事がした同船舶を撤去する行政代執行により同船舶に損傷が発生したなどとしてされた国家賠償請求につき,行政代執行の方法が社会通念上全体として不適切なものと認められない限り,行政庁の合理的裁量にゆだねられており,その後の船舶の保管についても,事務管理者として要求される注意義務をもって前記船舶を取り扱い,又は保管すれば足り,行政代執行及びその後の保管が上記の範囲内である限り,その過程で前記船舶に何らかの損傷が生じたとしても,国家賠償上の責任を負うものではないとした上,前記行政代執行の方法が社会通念上全体として適切さを欠いたものとはいえず,船舶の撤去,移動,保管を通じて必要な注意義務を尽くしていたなどとして,前記請求を棄却した事例

全文

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