裁判例結果詳細

事件番号

平成17(行ク)94等

事件名

移送

裁判年月日

平成17年11月21日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)施行前に原告の普通裁判籍の所在地を管轄する甲地方裁判所に提起された後,被告国及び同社会保険庁の申立てにより乙地方裁判所に移送された年金を減額した処分の無効確認及び損害賠償請求等の訴えであるA基本事件及び同法施行前に乙地方裁判所に提起された年金を減額した処分の取消しを求める訴えであるB基本事件が,行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)施行後に,改正により新たに管轄の生じた丙地方裁判所に移送された事例

裁判要旨

行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)施行前に原告の普通裁判籍の所在地を管轄する甲地方裁判所に提起された後,被告国及び社会保険庁の申立てにより乙地方裁判所に移送された年金を減額した処分の無効確認及び損害賠償請求等の訴えであるA基本事件及び同法施行前に乙地方裁判所に提起された年金を減額した処分の取消しを求める訴えであるB基本事件につき,行政事件訴訟法12条4項により,A基本事件もB基本事件も共に原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する丙地方裁判所に管轄が生じるとした上,平成16年法律第84号による行政事件訴訟法の改正は,行政訴訟における裁判所の専門性を確保しつつ,原告の住所地に近い身近な裁判所で訴えを提起する可能性を広げることにより,行政事件訴訟をより利用しやすくする趣旨で行われたものであること,原告は現に年金を受給する高齢者であると認められ,原告によれば肺結核による後遺症があるとのことであり,被告国及び同社会保険庁の訴訟遂行上の便宜を考慮しても,全国各地に支部組織,人員を有することが明らかな被告らが乙地方裁判所において審理を受けることの利益よりも,原告が丙地方裁判所において審理を受けることの利益の方がはるかに大きいことが容易に推測されること等を考慮すると,A基本事件及びB基本事件につき丙地方裁判所において審理を行うのが,当事者間の衡平を図る上で必要であるというべきであるとして,行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)施行後に,前記訴えを,改正により新たに管轄の生じた丙地方裁判所に移送した事例

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