裁判例結果詳細

事件番号

平成16(行ウ)290

事件名

行政文書不開示決定取消請求事件

裁判年月日

平成17年12月9日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

行政機関の保有する情報の公開に関する法律3条に基づいてした,特定の拘置所において特定の年月日に撮影された自己の頭部のCT写真の開示請求に対し,前記写真の存否を答えるだけで,同法5条1号の規定により不開示とすべき個人を識別することができる情報が開示されるのと同様の結果が生ずることを理由に,同法8条に基づいてされた不開示決定が,適法とされた事例

裁判要旨

行政機関の保有する情報の公開に関する法律3条に基づいてした,特定の拘置所において特定の年月日に撮影された自己の頭部のCT写真の開示請求に対し,前記写真の存否を答えるだけで,同法5条1号の規定により不開示とすべき個人を識別することができる情報が開示されるのと同様の結果が生ずることを理由に,同法8条に基づいてされた不開示決定につき,同決定が適法であるというためには,(1)仮に存在するとすれば,開示請求に係る行政文書に同法5条各号列記の不開示情報が記録されているはずであること,(2)当該行政文書が存在しているか否かを答えるだけで同号列記の不開示情報を開示することとなることの両方が必要であり,同法は,その趣旨,目的及びその文言からすると,情報の性質,内容を基準として,不開示とする場合を定めており,だれが開示請求をしているかによる区別はしていないのであるから,個人のプライバシーを侵害するおそれが想定し難い本人による個人情報の開示請求の場合であっても,当該情報が個人識別情報に該当する以上,原則として不開示とする立法態度を採っているものといわざるを得ないとした上,前記写真に記載されているはずの情報は,同法5条1号本文前段の不開示情報に当たり,同情報は,個人の医療情報に関するもので,一般に個人識別情報の中でも特に秘匿性が要求される性質のものであるところ,前記写真を開示することにより保護される利益が,これを不開示とすることにより保護される利益に比して,優越するということはできないから,同号ただし書ロに当たるということはできず,前記情報は,不開示であると答えるだけで,当該個人の診療歴の存在等が明らかになってしまうから,同法8条が適用されるとして,前記不開示決定を適法とした事例

全文

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