裁判例結果詳細

事件番号

昭和57(行ケ)207

事件名

裁決取消請求事件

裁判年月日

昭和60年3月27日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 高等海難審判庁の裁決のうち,海難審判法4条1項により海難原因を明らかにした部分は,抗告訴訟の対象となる処分に当たるか  2 海上衝突予防法17条2項の趣旨  3 海上衝突予防法17条1項により針路及び速力の保持義務を負う船舶が全長285メートル,総トン数8万3,874トンの巨大船である場合において,遅くとも,避航義務を負う船舶との距離が1.2海里に狭まった時点で,前記保持義務が解除されたとした事例  4 海上衝突予防法17条2項は,同条1項による針路及び速力の保持義務を負う船舶に対し,右義務を解除する規定であって,更に避航義務までをも課する規定ではないが,右保持義務を負う船舶が全長285メートル,総トン数8万3,874トンの巨大船である場合には,右巨大船の海技従事者には,右解釈にかかわらず,遅くとも,避航義務を負う船舶との距離が1.2海里に狭まった時点のころにおいて,職務上の注意義務としての避航義務があるとした事例

裁判要旨

1 高等海難審判庁の裁決のうち,海難審判法4条1項により海難原因を明らかにした部分は,抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。  2 海上衝突予防法17条2項の趣旨は,避航義務を負う船舶の回避動作怠慢による危険な状態を早期に解消し,衝突事故を防止することを目的として,同条1項による針路及び速力の保持義務を解除し,右保持義務を負っていた船舶に自船の操船のみによって衝突回避の動作をとることを許したものであると解される。

全文

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