裁判例結果詳細

事件番号

昭和48(行ウ)19

事件名

東海第二発電所原子炉設置許可処分取消請求事件

裁判年月日

昭和60年6月25日

裁判所名

水戸地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)24条1項4号の意義  2 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)23条に基づいて内閣総理大臣のした原子炉設置許可処分につき,当該原子炉から約20キロメートル以内に居住する住民は,原子炉施置の基本設計に重大な瑕疵があれば,その生命,身体等に重大な損傷を受けるおそれがあるから,右処分の取消しを求める訴えの原告適格を有するとした事例  3 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)24条1項4号に係る安全性の審査の対象  4 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)23条に基づく原子炉設置の許可申請が同法24条1項3号中の技術的能力に係る要件及び同項4号の要件に適合するか否かの審査,判断は,内閣総理大臣の専門技術的裁量に属するとした事例  5 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)23条に基づく原子炉設置の許可申請が同法24条1項3号中の技術的能力に係る要件及び同項4号の要件に適合するか否かについての内閣総理大臣の判断の適否に関する司法審査の範囲  6 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)23条に基づいて内閣総理大臣のした原子炉設置許可処分につき,手続上の違法はないとした事例  7 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号により改正前)23条に基づく原子炉設置の許可申請が同法24条1項3号,4号の要件に適合するとして内閣総理大臣がした原子炉設置許可処分が,適法とされた事例

裁判要旨

1 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)24条1項4号は,公共の安全という公益とともに,当該原子炉施設周辺住民個々人の利益をも保護する目的を有している。 3 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)24条1項4号に係る安全性の審査の対象は,原子炉の設置に直接関係があり,かつ,原子炉施設に特有の事項であって,原子炉施設の基本設計に係る安全性に関する事項に限られる。  5 核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和52年法律第80号による改正前)23条に基づく原子炉設置の許可申請が同法24条1項3号中の技術的能力に係る要件及び同項4号の要件に適合するか否かの内閣総理大臣の判断の適否に関する司法審査は,内閣総理大臣が適法な手続に従って審査,判断を行ったかどうか,及びその審査,判断が,現在の専門技術的知見に照らして裁量の範囲を逸脱し又は裁量権を濫用したものではないといい得る程度に合理的な根拠を有するかどうかについて行うベきである。

全文

全文

ページ上部に戻る