裁判例結果詳細

事件番号

昭和59(行ケ)264

事件名

審決取消請求事件

裁判年月日

昭和61年6月13日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条にいう「一定の取引分野」の意義  2 一定の地域において採掘される石灰石について,現在は石灰石粉末製造用として供給取引が行われているにとどまり,セメント製造用としての供給取引は行われていなくても,右地域において採掘される石灰石がセメント製造用としても需給の対象となり得るものであり,右地域においては石灰石供給の事業者2社がその所有鉱量等の点からほぼ独占的に右需要に応じ得る立場にある場合にあっては,右2社が,両者間で,その所有する石灰石鉱業権の処分の相手方及び石灰石供給の相手方を30年間にわたり制限するときは,右地域で石灰石について成立し得べき右両用途からの需給関係全般に対して競争制限的影響を及ぼすことになると推認されるとして,右地域にはセメント製造業者に対する潜在的供給を含む石灰石供給の取引分野が存在すると認めた事例  3 石灰石粉末の製造販売及び石灰石の採掘供給を行う事業者とセメントの製造販売及び石灰石の採掘供給を行う事業者との間において締結された契約中の石灰石鉱業権の処分の相手方及び石灰石供給の相手方を制限する条項が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条6項にいう不当な取引制限に該当し,同法3条に違反するとして右条項の削除等を命じた審決が,正当とされた事例

裁判要旨

1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条にいう「一定の取引分野」とは,特定の行為によって競争の実質的制度がもたらされる範囲のものをいい,その範囲は,具体的な行為や取引の対象・地域・態様等に応じて相対的に決定されるべきものである。

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