裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成17(行コ)5
- 事件名
葬祭料支給申請却下処分取消請求控訴事件
- 裁判年月日
平成17年9月26日
- 裁判所名
福岡高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
被爆者健康手帳の交付を受けた後離日し,日本国内に居住も現在もしなくなったいわゆる在外被爆者が国外において死亡したことにより,同人の妻がした原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律32条に基づく葬祭料の支給申請に対し,市長がした当該被爆者が死亡した際の居住地ないし現在地が当該市ではないことを理由とする却下処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
被爆者健康手帳の交付を受けた後離日し,日本国内に居住も現在もしなくなったいわゆる在外被爆者が国外において死亡したことにより,同人の妻がした原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律32条に基づく葬祭料の支給申請に対し,市長がした当該被爆者が死亡した際の居住地ないし現在地が当該市ではないことを理由とする却下処分の取消請求につき,同法による各種の援護措置は原子爆弾による特殊の戦争被害について戦争遂行主体であった国が自らの責任によりその救済を図る一面をも有しており,被爆による健康被害に苦しむ被爆者を広く救済することを目的とする同法の趣旨及び性格,特に同法が被爆者に援護を講じるという人道目的の立法であることなどに照らせば,日本国内に居住も現在もしなくなったという事実をもって当然に被爆者たる地位を喪失すると解することはできず,在外被爆者であっても同法の定める総合的な援護対策の対象に当然含まれるところ,国外からの葬祭料支給申請を認めた場合に審査の形骸化のおそれがあり,また,支給要件の実質的審査が困難な事例が出ることは予想できるとしても,支給の適正確保の要請は技術的な問題にすぎず,個別の支給申請を排斥する理由にはなり得ても,在外被爆者の国外からの申請を一切認めない理由とはなり得ないから,同法32条の「都道府県知事」を被爆者の死亡した際の「居住地ないし現在地の都道府県知事」と限定して解釈することはできず,在外被爆者からの申請を認めていない同法施行令(平成17年政令第356号による改正前)19条及び同法施行規則(平成17年厚生労働省令第168号による改正前)71条は,法の委任の範囲を超えた無効なものであり,前記処分が同法32条に反し違法であることは明らかであるとして,前記取消請求を認容した事例
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