裁判例結果詳細

事件番号

昭和55(あ)2014

事件名

人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律違反

裁判年月日

昭和62年9月22日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

その他

判例集等巻・号・頁

刑集 第41巻6号255頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和55年11月6日

判示事項

一 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律三条一項にいう「工場又は事業場における事実活動に伴つて人の健康を害する物質を排出し」の意義 二 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律三条の罪が成立しないとされた事例

裁判要旨

一 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律三条一項にいう「工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質を排出し」とは、工場又は事業場における事業活動の一環として行われる廃棄物その他の物質の排出の過程で、人の健康を害する物質を工場又は事業場の外に何人にも管理されない状態において出すことをいい、事業活動の一環として行われる排出とみられる面を有しない他の事業活動中に、過失によりたまたま人の健康を害する物質を工場又は事業場の外に放出するに至らせたとしても、同法三条の罪には当たらない。 二 工場の排水処理場において、資材納入業者からタンクローリー車で配達されてきた廃水中和処理剤の稀硫酸を硫酸貯蔵タンクに受け入れるに際し、同処理場の管理及び薬品受入れ等の業務に従事していた者が監視を怠つたため、タンクローリー車の運転手において、近くに併設されていた次亜塩素酸ソーダ貯蔵タンクの注入口にタンクローリー車のホースを誤つて接続して稀硫酸を注入し、その結果、大量の塩素ガスを発生させ、これを工場外の大気中に放出させて付近住民に傷害を負わせた事故については、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律三条の罪は成立しない。

参照法条

人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律3条

全文

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