裁判例結果詳細

事件番号

昭和57(あ)752

事件名

殺人(認定傷害致死)

裁判年月日

昭和58年5月27日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第37巻4号474頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和57年4月28日

判示事項

破棄差戻しの原判決が憲法三七条一項の迅速裁判の保障条項に反しないとされた事例

裁判要旨

殺人の実行行為者が被告人であるのか、現場に同道していた甲であるのか等が争われた事案につき、第一審において約八年を費して詳細な事実審理を行つており、原審においても約二年を費して検察官申請の証人のすべてを取り調べる等していて、これを第一審に差し戻しても、実質的に意味のある新証拠の提出される蓋然性が必ずしも大きくないときは、できる限り事件を第一審に差し戻さないで処理するのが相当であるが、公判審理が長期に及んだ主たる原因が、捜査段階における被告人側の節国的な罪証隠滅行為等にあると認められること、これを第一審に差し戻してもそのために今後審理が格段に長期化するとか被告人が防禦上著しい不利益を受けるおそれがあるとまでは認め難いことなどの事情(判文参照)のある本件においては、事実誤認を理由に第一審判決を破棄し事件を第一審に差し戻した原判決が、憲法三七条一項の迅速裁判の保障条項に反するとはいえない。

参照法条

刑訴法382条,刑訴法400条,憲法37条1項

全文

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