裁判例結果詳細

事件番号

昭和42(あ)313

事件名

旅館業法違反

裁判年月日

昭和42年12月21日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄差戻

判例集等巻・号・頁

刑集 第21巻10号1441頁

原審裁判所名

広島高等裁判所 松江支部

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和42年1月16日

判示事項

一 旅館業法第六条第二項第一二条の合憲性 二 刑訴法第四一一条第二号に該当するとして同法第四一三条第一項本文により破棄差し戻された事例 三 旅館業法第六条第二項第一二条と憲法第二二条第一項

裁判要旨

一 旅館業法第六条第二項、第一二条は、憲法第三八条第一項に違反しない。 二 被告人が三日間にわたつて三個所の旅館で宿泊するにあたり、各旅館の営業者から宿泊者名簿の記載を請求された際、それぞれ住所、氏名を偽つて告げたとの事実につき、旅館業法第六条、第一二条を適用して、右三個所三泊の際の各事実につき被告人を各拘留二〇日に処した第一審判決の量刑をそのまま是認した原判決は、第一審判決および原判決の判示する事実関係のもとにおいては(第一審判文、原判文参照)、刑訴法第四一一条第二号に該当し、同法第四一三条第一項本文により差し戻すべきものである。 三 所論は、旅館業法第六条第二項、第一二条が憲法第二二条第一項に違反すると主張する。しかし旅館業法第六条第二項は、旅館営業者の備える宿泊者名簿に関し、宿泊者に氏名、住所、職業等の告知義務を認め、同法第一二条は、これに違反して虚偽の事項を告げた者に対し刑事罰を科することを定めているが、右のような規定は、これによつて居所もしくは住居の設定および移転自体を制限しようとするものではなく、憲法第二二条にいう居住、移転の自由とは関係のない規定というべきであるから、右違憲の主張はその前提を欠く。

参照法条

旅館業法6条,旅館業法12条,憲法38条1項,刑訴法411条2号,刑訴法413条1項本文,刑訴法22条1項

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