裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和28(あ)2110
- 事件名
自転車競技法違反
- 裁判年月日
昭和32年1月17日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第11巻1号1頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和28年1月31日
- 判示事項
一 訴因変更の手続を必要としない事例 二 昭和二七年法律第二二〇号による改正前の自転車競技法第一七条第一項にいう賄賂の「提供」の意義
- 裁判要旨
一 『被告人は昭和二五年七月六日頃の午前一〇時頃T市営競輪場で、第六レースに出場する選手甲に対し「今日は甲君二着になれよ、お前が二着になれば、今日は俺が儲るのだから、相当礼金をする。」旨申向け、もつて自転車競争に関し、選手に対し、賄賂を提供した。』との起訴に対し、『被告人は昭和二五年七月六日頃T市営自転車競争に際し、同市競輪場において、当日の第六レースに出場した甲選手に対し、「今日は二着にならないか、三着でもいいからなつてくれよ、そうすれば俺も儲るから相当礼金をする」旨しつこく申向け、もつて該競争に関し、右甲選手に際し賄賂を提供した。』との事実を認定するには訴因変更の手続を必要としない。 二 昭和二七年法律第二二〇号による改正前の自転車競技法第一七条にいう賄賂の「提供」とは、物品の現実な提供のみを指称するものではなく、昭和一六年法律第六一号による改正前の刑法第一九八条にいう賄賂の提供と同じく、口頭をもつて相手方に対し賄賂の収受を促す意思を表示する場合すなわち現行刑法第一九八条にいう「其申込」をも包含するものと解するのが相当である。
- 参照法条
刑訴法312条,自転車競技法(昭和27年法律220号による改正前のもの)16条,自転車競技法(昭和27年法律220号による改正前のもの)17条,自転車競技法(昭和27年法律220号による改正後のもの)23条,自転車競技法(昭和27年法律220号による改正後のもの)25条,自転車競技法(昭和27年法律220号による改正後のもの)26条,刑法(昭和16年法律61号による改正前及び改正後のもの)198条
- 全文