裁判例結果詳細

事件番号

昭和28(あ)4064

事件名

経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律違反

裁判年月日

昭和31年3月9日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄差戻

判例集等巻・号・頁

刑集 第10巻3号309頁

原審裁判所名

高松高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和28年7月28日

判示事項

一 高等裁判所の判例と相反する判断をした原判決に対する上告と、上告申立後の最高裁判所が先例たる判例及び原判決のいずれをも維持するをえない場合の措置 二 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「其ノ職務」の意義 三 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「其ノ職務」にあたる一事例

裁判要旨

一 原判決が高等裁判所の判例と相反する判断をし、これを理由として上告された場合に、最高裁判所が先例たる判例及び原判決のいずれとも異なる見解に立ち原判決を維持するをえないときは、原判決は破棄すべきものである。 二 当裁判所判例(昭和二八年(あ)第四三八一号同三〇年五月一〇日第三小法廷判決、昭和二八年(あ)第二九〇九号、同三〇年七月五日第三小法廷判決)は、「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」二条が、同条の定める会社、組合またはこれらに準ずるものについて、その事業または業務を限定するところにかんがみるときは、同条にいう役職員の職務とは、その職務であれば右にいう事業または業務にかかわりなく、すべて含むと解すべきでないことはいうまでもないが、他面、立法の趣旨がこれらの事業または業務の公共的性質に注目して本条の収賄罪を設けたことを考え合わせると、これを厳に本来の独占的または統制的性質をもつ事務に局限すべきではなく、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むべきものとしており、いまこれを変更すべき理由をみない。 三 本件A株式会社が経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律二条別表乙号三〇にいう「地方鉄道法第十二条ノ規定ニ依ル免許ヲ受ケ地方鉄道業ヲ営ム者」である以上、同会社が線路の一部を電化するに当り、その架線工事を請負わせことは、その会社の本来の事業たる運輸事業自体とはいえないが、これを行うために必要な関係にある事務であること明らかである。従つて右会社の役職員がこのような事務を担当している場合には、その事務は右法律二条にいう職務に当るものと解しなければならない。

参照法条

刑訴法405条3号,刑訴法410条,刑訴法413条本文,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条別表乙号,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律5条1項

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