裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和29(あ)3450
- 事件名
食糧管理法違反、道路交通取締法違反
- 裁判年月日
昭和32年2月8日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第11巻2号539頁
- 原審裁判所名
仙台高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年10月6日
- 判示事項
一 供出完了後のいわゆる余剰米に関する食糧管理法第九条第一項、同施行令第六条の適用の合憲性 二 食糧管理法違反罪における買受米の換価金の没収 三 懲役と罰金とを併科し、更に附加刑として換価金の没収を科することの可否
- 裁判要旨
一 生産者の供出完了後のいわゆる余剰米といえども、食糧管理法第九条第一項同施行令第六条適用の対象となり、その規定に違反した者に対し、同法第三一条第三四条を適用して処断することは憲法第二九条に違反するものではない。 二 所論換価金は、被告人が本件犯行によつて得た米の換価金であるから、ひつきよう米そのものと同視すべきものであり、したがつて刑法一九条はこれを没収し得べきものとしているのである。 三 所論懲役と罰金とを併科し得る場合、それを併せ科しても、それは何れも主刑としての刑罰であつて、その罰金が所論のように、犯人に何罪による利益を保有せしめない趣旨の下に科せられるものではない。されば第一審判決が主刑として懲役と罰金を併せ科し、更に附加刑として換価金の没収を科したからといつて同一の犯罪について重複して個人の財産権を不当に侵害するものといいえないことはいうまでもない。
- 参照法条
食糧管理法9条1項,食糧管理法31条,食糧管理法34条,食糧管理法施行令6条,憲法29条,刑法19条,刑訴法122条
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