裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和31(あ)2109
- 事件名
商法違反、経済関係罰則整備ニ関スル法律違反
- 裁判年月日
昭和35年6月21日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第14巻8号981頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和30年10月27日
- 判示事項
一 商法第四九一条後段の応預合罪の意義 二 応預合罪にあたる事例
- 裁判要旨
一 商法第四九一条後段の応預合罪は、株金払込取扱期間の役職員が同法第四八六条第一項に掲げる者と通謀して株金の払込を仮装する行為をいう。 二 銀行の支店長甲が株式会社の設立発起人乙と通謀して株金払込を仮装するため、その方法として同銀行支店から預金者丙に融資しその金員を設立登記完了まで乙に貸与することを丙に承諾させた上、丙をして融資にかかる右金員を会社の株式払込金として同銀行支店の別段預金口座に振替え払込をさせ、乙はこれにより銀行支店長甲名義の株式払込金保管証明書の交付を得て会社の設立登記を完了するや、即日乙において同銀行支店を支払銀行とする同額の小切手を振出して丙に交付し、丙はこれを同銀行支店に交付し、同銀行はこの小切手で株式払込の預金を払出し当初の丙の借入金の弁済に充当するため振替え決済をなし、もつて株金の払込を仮装する場合において、右甲の所為は応預合罪にあたる。
- 参照法条
商法491条,商法177条2項,商法175条2項,商法189条,非訟事件手続法126条1項,非訟事件手続法189条
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