裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和43(あ)1462
- 事件名
艦船侵入、建造物侵入、公務執行妨害、艦船不退去
- 裁判年月日
昭和45年7月16日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第24巻7号475頁
- 原審裁判所名
札幌高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和43年6月22日
- 判示事項
一 国鉄連絡船の乗務船員でない国鉄労働組合員が航行中の同船内において勤務当直者でない乗務船員に対してオルグ活動をしようとして乗船した場合と船長の退去命令 二 国鉄労働争議における国鉄労働組合員の信号扱所侵入行為が正当性を欠き建造物侵入罪を構成するとされた事例
- 裁判要旨
一 国鉄連絡船の乗務船員でない国鉄労働組合員が同船に乗り込んだことが、同組合の団体行動として同船の航行中に勤務当直者でない乗務船員たる組合員らに対するオルグ活動をするためであるとしても、船長が退去を命令したときは、これに従うことを要し、これに従わないで船内に滞留することは、労働組合法一条二項にいう正当な行為とはいえず、艦船不退去罪を構成する。 二 本件国鉄労働争議における判示のような事実関係のもとでの被告人らの信号扱所侵入行為(判文参照)は、組合員多数の勢力をもつてする実力行動により信号扱所に対する国鉄当局側の管理を排除して侵入したものであつて、被告人らの信号扱所への立入りが、同所に勤務する組合員に職場大会への参加を呼びかける目的に出たもので、組合員の原判示時限ストを実行するためになされたものであるとしても、これをもつて直ちに労働組合法一条二項にいう正当な行為とはいえず、建造物侵入罪を構成する。
- 参照法条
刑法130条,船員法7条,公共企業体等労働関係法3条1項,公共企業体等労働関係法17条1項,労働組合法1条2項,憲法28条
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