裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和25(あ)1657
- 事件名
収賄、贈賄
- 裁判年月日
昭和28年7月10日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第7巻7号1474頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所 金沢支部
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和25年6月7日
- 判示事項
一 警察に身柄拘束中の被疑者と弁護人との面接時間が短時間であつたこと等と右被疑者が検事に対してなした自白の任意性の有無との関係 二 被告人の検察官に対する供述の任意性の有無についての判断基準の一事例 三 刑訴第三二一条第一項第二号但書の規定の趣旨
- 裁判要旨
一 被疑者として警察に身柄を拘束されていた間に弁護人との面接時間が二分ないし三分と指定され、しかも右面接の際警察官が立ち会つていた事実があつたとしても、右被疑者が検事に対してなした自白に任意性があるか否かは、それらの事由とは関係なくその自白をした当時の情況に照らして判断すべきである。 二 被告人Aの検事に対する供述調書を検討すると同被告人は検事から黙祕権を告げられた後任意に供述し且つ供述を録取した後これを読聞けられその誤のないことを認めた上で署名押印しており、しかもその供述内容は自然であつて首肯せしめるものがありその間に何者矛盾のないことが認められ同被告人の供述が直接その取調に当つた検事の不当な影響の下になされたことを疑わしめるに足る形跡は少しも認められない。 三 刑訴三二一条一項二号但書により検察官の面前における供述を録取した書面を証拠とするに当り該書面の供迷が公判準備又は公判期日における供述より信用すべき特別の情況が存するか否かは結局事実審裁判所の裁量に委されているものと解するのが相当である(昭和二六年(あ)第一一一一号同年一一月一五日第一小法廷判決参照)。
- 参照法条
刑訴法30条,刑訴法39条,刑訴法319条,刑訴法430条,刑訴法431条,刑訴法322条,刑訴法321条1項2号
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