裁判例結果詳細

事件番号

昭和27(あ)753

事件名

外国人登録令違反

裁判年月日

昭和28年5月14日

法廷名

最高裁判所第一小法廷

裁判種別

判決

結果

破棄差戻

判例集等巻・号・頁

刑集 第7巻5号1026頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和26年10月27日

判示事項

一 判例と相反する判断をした一事例 二 外国人登録不申請罪の性質 三 外国人登録令に違反して登録申請をしない行為の公訴時効の起算点 四 勅令の定める登録義務を通牒により左右することができるか

裁判要旨

一 原判決が、所論のごとく、要するに外国人登録令に定める登録不申請罪は、所定期間の三〇日を徒過することにより既遂となると同時に犯罪実行々為も終了しその時から公訴の時効は進行するものと判断して、結局被告人に対し免訴の言渡をしたこと、並びに、所論引用の原判決の言渡前になされた各高等裁判所の判決が、要するに所定期間経過後においても登録義務は依然存続しその間犯罪状態継続し公訴の時効期間はその義務終了の時から進行する旨の判断をしたものであることは所論のとおりである。従つて、原判決は、右各高等裁判所の判例と相反する判断をしたものといわなければならない。 二 外国人登録令施行の際本邦に在留する外国人で、同令附則第二項の規定に違反して三〇日以内に所定の登録申請をしなかつた者については、その登録義務を履行するまで不申請は継続して成立する。 三 外国人登録令附則第二項所定の三〇日以内に登録申請をしなかつた罪の公訴時効はその後当該外国人が本邦に在留する限りその登録義務を履行したときから進行する。 四 原判決引用の通牒(昭和二四年一一月一日法務府民事局民事甲第二四九一号(六)一五九号法務府民事法務長官、法務府刑政長官連名の各都道府県知事宛未登録外国人の新規登録申請に関する件)は、未登録外国人の新規登録申請あつたときは、市区町村長は一応これを受取りおき、退去命令又は退去強制の処分がなされるか否かを見定め、それがなされないで引続き本邦に在留することを許容されたとき正式に申請を受理して登録証明書を発行する簡捷な行政措置を執るよう指示したに止り、未登録外国人の新規登録申請を原則として受理しないことを命じたものとは解されないばかりでなくかかる通牒を以て前記勅令の登録申請義務を左右することのできないこと多言を要しない。

参照法条

外国人登録令4条,外国人登録令12条,外国人登録令附則2項,外国人登録令附則3項,刑訴法405条,刑訴法250条,刑訴法253条1項,昭和24年政令381号外国人登録令附則7項,通牒(昭和24年11月1日法務府民事局民事甲2491号(6)159号法務府民事法務長官、法務府政長官連名の各都道府県知事宛未登録外国人の新規登録申請に関する件)

全文

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