裁判例結果詳細

事件番号

昭和37(オ)752

事件名

損害賠償請求

裁判年月日

昭和44年7月11日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

民集 第23巻8号1470頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

昭和31(ネ)1594

原審裁判年月日

昭和37年3月29日

判示事項

一、旅券法一三条一項五号所定の旅券発給拒否事由と客観的事実考慮の許容 二、旅券法一三条一項五号の規程による外務大臣の旅券発給拒否処分の適否と裁判所の判断の及ぶ範囲 三、旅券法一三条一項五号所定の事由にあたるとしてした外務大臣の旅券発給拒否処分が正当とされた事例

裁判要旨

一、外務大臣が旅券発給の申請に対し旅券法一三条一項五号所定の旅券発給拒否事由該当の有無を判断するにあたつては、申請者についての主観的条件のみならず、国際情勢その他の客観的事実を考慮することを妨げない。 二、旅券法一三条一項五号所定の事由にあたるとしてなした外務大臣の旅券発給拒否処分の適否につき裁判所が判断をするにあたつては、その範囲は、たんに外務大臣の恣意、その判断の前提とされた事実の認識についての明白な誤謬およびその結論にいたる推理過程の著しい不合理などの有無に限定されるものではなく、当該処分当時の旅券発給申請者の地位、経歴、旅行の目的、外交方針、外務大臣の認定判断の過程など判示の事実を斟酌したうえ、同号の規定により外務大臣に与えられた権限がその法規の目的に従つて適法に行使されたかどうかに及ぶべきである。 三、昭和二八年九月当時、中華人民共和国における国慶節祝典に参列しあわせて同国の国情を視察する目的で渡航するための旅券発給申請に対し、外務大臣が、当時の動乱未だおさまらない厳しい国際情勢、わが国の外交方針など原料示の事実関係(原判決理由参照)に照らし、申請者をもつて旅券法一三条一項五号所定の「著しく且つ直接に日本国の利益を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」にあたるとして、旅券の発給を拒否した処分は正当である。

参照法条

旅券法13条1項5号

全文

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