裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和23(れ)863
- 事件名
食糧管理法違反、物価統制令違反幇助
- 裁判年月日
昭和26年3月15日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻4号521頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和23年6月4日
- 判示事項
一 主食の不法運搬行為とその主食の統制額超過契約代金受領幇助行為が想像的競合となる事例 二 原判決の認定しない自己に不利益な事実があることを前提とし適用法令の遺脱を主張する上告の適否
- 裁判要旨
一 甲が米の闇売をするにあたり甲の依頼により、法定の除外事由がないのにその米を運搬し甲に変り統制額を超えた代金でその米を売渡し買主からその代金を受取つてこれを甲に手渡し、甲の行為を幇助した者の主食不法運搬行為と、超過価格契約受領幇助行為とは一個の行為で二個の罪名に触れる。 二 原判決は判示二八日正午頃判示a川岸の船中で判示「A」に代りBとの間に判示玄米一五俵売買の交渉をし、これを統制額を超過した代金でBを通じて法定の買受資格のない判示Cに売渡し、翌月前記の船中で右代金を受取つて「A」に手渡し以て右「A」の犯行を容易ならしめて幇助したものである旨判示しただけで、右「A」が右犯行当時の食糧管理法施行規則第二二条の三所定の「米麦の所有者」であることを何等判示していない。されば原判決が右判示所為に対し物価統制令第三三条、第三条、第四条、昭和二一年物価庁告示第一五一号刑法第六二条第一項、第六三条、第六八条等のみを適用して、食糧管理法第三一条、第九条、同法施行令第一〇条同法施行規則第二二条の三の適用しなかつのは正当である。所論は、原判決における「法定の買受資格のない」という無意味な記載を捉えて、原判決の認定しない自己に不利益な犯罪のあることを前提として、原判決は適用すべき法律を適用しなかつた違法があると主張するものであるから採ることはできない。
- 参照法条
刑法54条1項,物価統制令3条,食糧管理法9条(昭和22年12月法律124号による改正前のもの),食糧管理法施行令11条ノ5(昭和22年5月1日勅令191条による改正のもの),食糧管理法施行規則23条ノ7(昭和22年10月1日農林省令55号により改正のもの),刑訴法405条,食糧管理施行規則22条の3
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