裁判例結果詳細

事件番号

昭和24(れ)875

事件名

金融緊急措置令違反

裁判年月日

昭和26年1月17日

法廷名

最高裁判所大法廷

裁判種別

判決

結果

その他

判例集等巻・号・頁

刑集 第5巻1号1頁

原審裁判所名

名古屋地方裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和22年8月9日

判示事項

一 被告人のみの申立てた上告事件において上告裁判所が罰金刑を言渡した第二審判決を破棄し懲役刑のみに該る罪に問擬し自判する場合の言渡刑 二 金融機関でない者が金融機関従業員を欺き封鎖支払を受けた場合の罪責

裁判要旨

一 金融緊急措置令第一条第一項(第三条第二項)第一一条を適用し罰金刑を言渡した第二審判決に対し、被告人だけから上告申立のあつた事件において上告裁判所が右判決には事実の確定に影響を及ぼさない法令の違反があるとして、右判決を破棄し刑法第二四六条第一項を適用して更に判決をするときは、上告裁判所は旧刑訴法第四五二条により被告人に対し罰金刑の言渡をすることができる。 二 金融緊急措置令は、毫もその支払受領者側を罰していない。されば、同令第一一条所定の第一条第三条、第二項若しくは第四条違反罪を規定した立法趣旨は、差し当り単に同令第八条所定の金融機関に従事する者であつて、現にその違法行為をなした者のみを処罰するだけで足りるとする趣旨に出たものと解するを相当する。従つて、金融機関でない支払受領者が欺罔手段を以て犯意なき金融機関従業者を錯誤に陷れ封鎖預金等を支払わしめたとしても、詐欺罪を構成するは格別前記措置令第一一条違反の間接正犯を以て論ずべきものではない。

参照法条

金融緊急措置令1条1項,金融緊急措置令11条,金融緊急措置令3条,金融緊急措置令1条,旧刑訴法452条,刑法246条

全文

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添付文書1

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