裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(あ)2106

事件名

物価統制令違反

裁判年月日

昭和26年12月5日

法廷名

最高裁判所大法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第5巻13号2471頁

原審裁判所名

大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和25年6月27日

判示事項

一 憲法第三九条にいわゆる「既に無罪とされた行為」の意義 二 物価統制令に基くうずら豆の統制額廃止と刑の廃止 三 物価統制令の合憲性 四 物価統制令と憲法第二五条

裁判要旨

一 憲法三九条にいわゆる「既に無罪とされた行為」とは、確定裁判により無罪とされた行為を指し、所論のように「犯罪後刑の廃止若しくは大赦、特赦あつたとき又は社会の情勢上処罰の必要なきに至つた場合等」をいうものではない。そして、物価統制額が廃止されても一旦成立した物価統制令違反の犯罪を無罪たらしめるものでないこと論を待たないから、うずら豆に対する物価統制が廃止されたからといつて、その統制額を超えて販売する目的で、うずら豆を所持していた本件犯罪を目して既に無罪とされた行為であるとはいえない。 二 物価統制令は憲法第二五条に違反しない。 三 (上告趣意第一点に対する裁判官栗山茂の少数意見)尤も物価統制令はいわゆるポツダム勅令であつて、本事実に適用されている前記罰条は日本国憲法七三条に根拠があるものではんになく昭和二〇年九月二二日連合国最高司令官総司令部の発した指令第三号に基くものであつて日本国憲法と同一法体系に属するものではないから物価統制令の前記条規が憲法二五条に反するとか反しないとかの問題を生じえないのである。論旨は違法性の前提を欠いているものであつて上告適法の理由とならない。

参照法条

憲法39条,憲法25条,物価統制令3条,刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号

全文

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添付文書1

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