裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(あ)262

事件名

恐喝

裁判年月日

昭和27年7月18日

法廷名

最高裁判所第二小法廷

裁判種別

決定

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第6巻7号913頁

原審裁判所名

福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和24年12月7日

判示事項

一 起訴状および訴因追加請求書各謄本の被告人に対する不送達と刑訴第四一一条 二 恐喝罪の公訴犯罪事実中に被告人の性格、経歴及び素行等を記載することと刑訴法第二五六条第六項

裁判要旨

一 起訴状および訴因追加請求書の各謄本が被告人に送達されていなくても、起訴の日に被告人が自ら弁護人を選任し、弁護人は裁判所書記官に請求して、起訴状および訴因追加請求書各謄本の送達を受け、第一審第一回公判も起訴の日から二箇月以内に開かれており、また起訴状謄本が弁護人に送達されてから同公判までに一箇月以上、訴因追加請求書が同人に送達されてからでも同じく一箇月近くの余裕があつて、弁論準備のために十分の期間があつたものということができ、かつ右公判で被告人側から何の異議も申し立てていない場合には、前記のような刑訴第二七一条第一項、第三一二条第三項、刑訴規則第二〇九条第三項の不遵守は、未だ刑訴第四一一条を適用すべき事由とするにたらない。 二 本件公訴事実は、被告人が一般人を恐れさせるに足るような自己の性格、経歴及び素行等に関する事実を告知し、若しくは相手方が予ねて、そのような事実を知つて恐れをなしているのに乗じて金品、その他財産上の利益を受けるという方法によつて度々の恐喝を働いたというにあつて、被告人の性格、経歴及び素行等に関する事実は、本件では、犯罪事実と何等直接の関係のない事項ではなく、むしろ、その恐喝手段そのものゝ内容をなしている事柄であるといわなければならないから刑訴第二五六条末項に反しない。

参照法条

刑訴法271条1項,刑訴法312条3項,刑訴法411条,刑訴法256条,刑訴規則209条3項,刑法249条

全文

全文

ページ上部に戻る