裁判例結果詳細
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最高裁判所
- 事件番号
昭和25(れ)1785
- 事件名
臨時物資需給調整法違反物価統制令違反
- 裁判年月日
昭和26年3月1日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻4号478頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和25年10月6日
- 判示事項
一 相次いで二回以上法令の廃止がありその各法令に「廃止前の行為に対する罰則の適用についてはなお従前の例による」とある場合の法令の適用 二 法律の日附以後に公布された臨時物資需給調整法の効力と右公布後の犯行に対する同法の適用
- 裁判要旨
一 相ついで二回以上に亘つて連関をもつ法令の廃止があると共に、その度毎に廃止前の行為に対する罰則の適用についてなお従前の例による旨が定められた場合においては、その各法令の廃止前にしたすべての行為に対する罰則の適用については、なお従前の例、すなわち犯行当時の各法令によつて所罰すべき趣旨を有するものと解するを相当とする。 二 所論は、臨時物資需給調整法は昭和二一年一〇月一日法律第三二号として公布、即日施行せられ、その後昭和二二年三月三一日その一部を改正して「この法律は昭和二三年四月一日又は経済安定本部の廃止の時の何れか早い時にその効力を失う」と公示し、さらにその後同法の失効時期を一年延長して昭和二四年四月一日とする旨改正し、これを昭和二三年三月三一日付で実際には同年四月九日の官報号外に登載して配布され同日公布されたのであるから、同法は昭和二三年四月一日に失効したと主張するのである。 三 しかしながら、問題となつている前記後者の改正法律案は、昭和二三年三月三一日衆議院及び参議院の両義院で可決され、同日法律となつたのである(憲法第五九条第一項)。従つて、これによつて前記前者の改正法律は改正されたのであるから、臨時物資需給調整法が昭和二三年四月一日に失効するわけはないのである。されば、所論によるも前記後者の改正法律の公布(四月九日)の後に属する昭和二三年九月八日頃に行われた本件犯行に対し、臨時物資需給調整法を適用処断したのは正当であつて所論のような違法はない。
- 参照法条
臨時物資需給調整法附則,木炭需給調整規則(昭和25・3・14農林省令15号)附則,憲法59条1項,臨時物資需給調整法の一部を改正する法律(昭和23年法律16号)
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