裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和25(れ)194
- 事件名
強盗強姦、強盗傷人、強盗、窃盗等
- 裁判年月日
昭和26年1月30日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻1号117頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年8月18日
- 判示事項
一 賍物牙保罪が成立するためには賍物の売買完成することを要するか 二 強盗の共犯者中の何人かが傷害を与えた場合における共犯者の罪責
- 裁判要旨
一 論旨は上告人は本件賍物を買受人たるAに示しておらず、同人をして買受を決定せしめるに至つていない。従つて賍物牙保罪は成立しないと主張する。しかし被告人はBから同人等が窃取た衣類二百六十余点の売卸法を依頼され賍物たる情を知りながらAに対し本件賍物を買受けられた旨を申向けて斡旋し、同人と同道して賍物の所在場所に出向いた途中逮捕されたというのであつて被告人の行為はB等が判示犯罪によつて得た賍物に関して同人等の為めの不公正な取引を仲介周旋したものであつて一般に強窃盗等を誘発するおそれが十分にあるといわなければならない、されば被告人の右周旋行為によつて未だ賍物の売買は完成するに至らず、また本犯の被害者の賍物返還請求権行使を不能又は困難ならしめるおそれはなかなつたとしても、尚行為自体は既に賍物牙保罪の成立に必要な周旋行為に該当するものと認める相当とする。 二 しかし、原判決はことさらに被告人Cが被害者を蹴つたとは認定していない。そして被告人等共犯者中の何人かが被害者に傷害を与えた事実は原判決挙示の証拠により、これを認め得るばかりでなく、強盗の共犯者が強盗の機会に他人を傷害した以上は強盗致傷の積を負わなければならないから、判示傷害が被告人の如何なる行為に由来したか明らかでないとしても被告人の責罪に消長を来すものではない。
- 参照法条
刑法256条2項,刑法60条,刑法240条
- 全文