裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和25(れ)377
- 事件名
強盗、窃盗
- 裁判年月日
昭和26年1月31日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻1号143頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年6月4日
- 判示事項
一 刑法の一部を改正する法律(昭和二二年法律第一二四号)附則第四項中刑法第五五条に関する規定の性質と右規定の趣旨 二 当該判決裁判所の公判廷における自白は憲法第三八条第三項にいわゆる自白にあたるか
- 裁判要旨
一 原判決判示第一の事実は昭和二二年七月二八日頃第二乃至第六の事実は同二二年一月二六日頃以降の所為である。そしてその間、同二二年一一月一五日施行の刑法の一部を改正する法律(同年法律第一二四号)により、連続犯を定めた刑法第五五条は廃止せられた。そして、かかる法律の改正によつて刑法第六条の適用に関して裁判上起るべき法律解釈の疑義を一掃するため、特に附則四項の規定を設け、「この法律施行前の行為については、刑法第五十五条……の改正規定にかかわらず、なお従前例のによる」と明定し、同時にその反面において改正法律施行前の行為との間には、たとい犯意継続の下に行われたものであるとしても、連続犯として処罰しない趣旨を明かにしたのである。すなわち、前記附則四項は、連続犯の廃止に際し刑法第六条の存在を考慮し経過的に特別規定を以て具体的の定めをなしたものと解すべきである。 二 原判示第一の事実については、所論のとおり被告人の原審公判廷における自白を唯一の証拠として断罪いるのであるが、右の如き、当該判決裁判所の公判廷における自白は、憲法第三八条第三項に所謂自白にあたらないことは、既に当裁判所の判例として示すとろこである(昭和二三年(れ)第一六八号、同年七月二九日大法廷判決、判例集二巻九号一〇一二頁。昭和二三年(れ)第四五四号、第二四年四月六日大法廷判決、集三巻四号四四五頁。昭和二三年(れ)第一五四四号、同二四年四月二〇日大法廷判決、集三巻五号五八一頁)。
- 参照法条
刑法の一部を改正する法律(昭和22年法律124号)附則4項,刑法55条(右法律による改正前のもの),憲法38条3項