裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和25(れ)88
- 事件名
傷害致死
- 裁判年月日
昭和25年6月6日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第4巻6号923頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年11月21日
- 判示事項
辯護人が共同辯護人の氏名を代署し連名で提出した公判期日請書の効力と辯護權の不法制限
- 裁判要旨
A、B兩辯護人の昭和二四年一〇月五日の原審公判期日の請書にはA、B兩辯護人の氏名が記載されてあるが、B辯護人の名下には代として「C」の印(A辯護人○名下の印と同一の○印)が押してありB辯護人の氏名の筆蹟はA辯護人の氏名の筆蹟と同一と認め得ることは所論の通りである。しかしいやしくも誠實なるべき辯護士が共同辯護人の代理人として、公判期日の請書を出している以上は正當な委任關係に基くものと認めるのが常識的の解釋であるといわなければならないからA辯護人はこのB辯護人の代理人として請書を差出したものと推認するを相當とする。ことに本件においては右請書と同一日附である昭和二四年八月二六日附を以てA辯護人が提出した昭和二四年九月二日の公判期日を變更願書の末尾にB辯護人は右變更に同意する旨を記載しているし(右變更願によつて九月二日は一〇月五日に變更)、兩辯護人の辯護人選任届、並に送達書報告等には兩辯護人の住所並に送達の場所は同町同番地であつて兩辯護人の事務所は同一場所であると思われる等の點に鑑み、所論公判期日と請書はA辯護人においてB辯護人の適法なる代理として差出したものと認めるを相當とするから所論請書によつて一〇月五日の公判期日はB辯護人に對しても適法に召喚状の送達があつたと同一の効力を生じたものといわなければならないに拘わらずB辯護人は當日任意に出頭しないものであるから自ら辯護權の行使を抛棄したものというべく、不法に辯護權を制限したことには當らない。
- 参照法条
舊刑訴法320,舊刑訴法99條,舊刑訴法73條,舊刑訴法410條11號
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