裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和26(れ)2001
- 事件名
恐喝等
- 裁判年月日
昭和26年12月25日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第5巻13号2630頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和26年5月31日
- 判示事項
一 賭博に負けた金銭を取返へす為相手を脅迫して之を恐喝したと認定した場合と、権利行使に仮托してした恐喝に関する判例違反の有無 二 実権則違反に関する判例を引用しても原審の事実認定を非難するに過ぎない事例 三 証拠の標目として掲げられた証拠中判示にそわない部分と採証の範囲 四 生糸の超過買受行為と、その所持とを牽連犯とした判決と判例違反の主張
- 裁判要旨
一 原判決は、被告人らが共謀の上「先に賭博に負けた金銭を取返へす為相手を脅迫して之を喝取しようと考え」原判示のようにABらに暴行脅迫を加えて同人らを畏怖させて金員を喝取した事実を認定したのであつて、所論のように被告人らが権利実行の手段として脅迫行為を行つたことを認定したものでないこと判文上明らかである。そして論旨引用の大審院判決は権利実行に仮托して恐喝を行つた場合の判決であつて原判決は所論のように右判例と相反する判断をしたものではない。 二 論旨引用の当裁判所第一小法廷判決は、事実の認識について、全く反対の趣旨の供述を引いてその認識があつたような認定をしたのを違法であるとしたものであつて、本件のように所論の証拠が被告人らが恐喝の現場に居つたことの証明になる場合に適切ではない。 三 原判決に証拠の標目として掲げられた証拠の中、判示にそわない部分は、原新が証拠としなかつたものと解することができる。 四 原判決が所論(一)の超過買受行為と所論(二)の所持とが手段結果の関係にあるものとして刑法五四条一項後段を適用したことを非難し、価格等統制令に違反して買受けた物資を同令に違反して売渡した場合が連続犯であつて牽連犯ではないとして大審院判例に違反するというのであるが、右(一)と(二)の各所為を手段結果の関係にあるものとして刑法五四条一項後段を適用した原判決が論旨引用の大審院判決に違反するとの主張は、連続犯の規定が廃止されてその適用が排除された以後の本件については不利益な主張であるばかりでなく、判例違反として適切な主張ではない。
- 参照法条
刑法249条,刑法57条1項後段,刑法(昭和22年法律124号による改正前のもの)55条,新刑訴法405条,新刑訴法訴法411条,旧刑訴法336条,旧刑訴法337条,旧刑事訴訟法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則8条,物価統制令3条,物価統制令13条の2
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