裁判例結果詳細

事件番号

昭和28(あ)2733

事件名

公職選挙法違反

裁判年月日

昭和28年12月15日

法廷名

最高裁判所第三小法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第7巻12号2444頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和28年4月7日

判示事項

一 適用法令の判示方 二 刑訴規則第二一八条の趣旨 三 判決をした裁判官が判事であるか判事補であるかということは公判調書以外の資料によつて判断できるか 四 刑訴規則第四四条に対する昭和二六年最高裁判所規則第一五号の改正趣旨。

裁判要旨

一 如何なる法令を適用して主文の判断をするに至つたかが判る場合には、法条の羅列も違法ではない。 二 刑訴規則二一八条の趣旨は、判決書作成の労力を省略することにより審理に重点を置かしめようとするものであるから、起訴状の写の添附の如きは当然必要としないとする趣旨の規定である。 三 公判調書のみによつて立証を許されるのは、記載された訴訟手続の適否についてであるから、受訴裁判所の裁判官が判事であるか判事補であるかの如きは、他の方法で調査することを何ら妨げるものではない。またこのようなことは、証拠により認定すべき事実に属しないから、裁判所に顕著であるとして控訴趣意に対して判断をした原判決は正当であつて、何ら非難すべきものではない。 四 刑訴規則四四条を改正した昭和二六年最高裁判所規則第一五号は、通常当然行われる事項の公判調書への記載を省略することにより、事務の能率化、簡易化を図つたものであつて、通常当然に行われることが行われていなかつた場合には、当事者又は弁護人から異議を申し立てれば、これを公判調書に記載することにより、手続の正確化を図り得るし、また上級審において審査の対象とすることができるのである。更に公判調書の記載については、その正確性についての異議申立の制度さえ存在するのであるから、刑訴規則四四条を無効とし、或は第一審の手続を憲法違反とする所論は、その実質において理由のない訴訟法規の非難にすぎないので採用できない。

参照法条

刑訴法335条1項,刑訴法48条,刑訴法317条,刑訴規則218条,刑訴規則44条4号,刑訴規則(昭和26年最高裁判規則15号による改正後のもの)44条

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