裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
最高裁判所
- 事件番号
昭和29(あ)2543
- 事件名
業務上過失致死
- 裁判年月日
昭和30年2月3日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第9巻2号194頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和29年5月20日
- 判示事項
自動車運転者が故障自動車を連結牽引して運転する場合の注意義務
- 裁判要旨
自動車運転者が、エンジン、配電機、警音機等の故障により自力で運転することの不可能となつた貨物自動車を、ワイヤロープ等によつて連結牽引して運転する場合においては、通常の自動車運転者としての注意義務を有するの外、進行方向の転換、速力の加減、通行中の人馬等とのすれ違いや追越等については、特に事前において、牽引される自動車の運転者等と、危険な場合に備え、予め運転上如何なる事態にも対処し得るように、詳細な打合せをして置き、運転中においても、常に密接な連絡を保ち、牽引車の車体上に看視者を置いて、被牽引車との連絡や通行人馬の看視並びにこれ等の者に対し注意を与える途を講ずるとか、牽引車や牽引ロープ等に標識を附して、通行人馬に警戒させる等の措置を講じ、殊に薄暮時および夜間においては、その時の状況に応じ、被牽引車の前照燈を点燈して被牽引車の存在することの発見を容易ならしめる措置を講じ、更に通行道路が狭隘であるすれ違いの人馬等のある場合には、極力減速して、何時にても急停車し危害の発生を未然に防止し得るよう臨機応変の措置を講ずべき義務がある。
- 参照法条
刑法221条,道路交通取締法7条2項5号,道路交通取締法8条1項,道路交通取締法8条2項,道路交通取締法11条,道路交通取締法13条,道路交通取締法20条,道路交通取締法23条,道路交通取締令16条,道路交通取締令18条
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