裁判例結果詳細

事件番号

昭和37(あ)1866

事件名

関税法違反、物品税法違反

裁判年月日

昭和39年7月1日

法廷名

最高裁判所大法廷

裁判種別

判決

結果

棄却

判例集等巻・号・頁

刑集 第18巻6号323頁

原審裁判所名

東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

昭和37年5月15日

判示事項

一 法人の代表者に対する関税法違反被告事件において、同法第一一八条第一項により第三者たるその法人所有の犯罪貨物を没収するにあたり、その法人に対して弁解防禦の機会を与えることの要否。 二 関税法第一一八条第二項により追徴を科せられる犯人の範囲。 三 犯罪貨物の所有者または同貨物の転売による利益の取得者でない犯人にも追徴を科し得ることを規定している関税法第一一八条第二項は憲法第三一条、第二九条に違反するか。

裁判要旨

一 法人の代表者に対する関税法違反被告事件において、同法第一一八条第一項により、第三者たるその法人所有の犯罪貨物を没収するにあたつては、被告人に対して犯罪事実に関する弁解、防禦の機会が与えられているかぎり、改めてその法人に対してこれらの機会を与えることを要しない。 二 関税法第一一八条第二項にいわゆる犯人とは、犯罪貨物の所有者または同貨物の転売による利益の取得者に限られるものではなく、当該犯罪に関与したすべての犯人を含むものと解するのが相当である(昭和三七年(あ)第一二四三号同三九年七月一日大法廷判決参照)。 三 没収に代わる追徴に関する事項をいかに定めるかは、追徴なる制度の本旨に適合する限り、立法によつて定め得る事項であり、当該関税法違反の犯罪に関与した犯人のすべてに追徴を科することは、犯罪に対する制裁と、その抑圧の手段としての刑罰的性格を有する追徴の本旨に適合するものと認むべきであるから、犯罪貨物の所有者または同貨物の転売による利益の取得者でない犯人にも追徴を科し得ることを規定している関税法第一一八条第二項は憲法第三一条、第二九条に違反するものとはいえない(前記大法廷判決参照)。

参照法条

関税法118条1項,関税法118条,関税法110条1項,関税法112条,刑事々件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法2条,憲法29条,憲法31条,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律12条

全文

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添付文書1

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